子育て

【この論争には、今日、ここで結論を出そうシリーズ】最終回は「大学進学論争」 。

「この論争には、今日、ここで結論を出そうシリーズ」も今日で最終回。

最終回で、大晦日でもある今日は、9日間のシリーズを締めくくるにふさわしいテーマ、「大学進学論争」を取り上げたい。

多くの保護者の方が、次のように考えている。

「子どもには、大学に行ってほしい」

「高卒より、大卒の方が将来安心」

「とりあえず、大学は出ておいた方がいい」

しかし、僕は以下のように考えている。つまり、この論争に対する僕の結論は、

「全員が大学を目指す必要はない。もし大学に行くなら、ちゃんとした大学に行くべきだ。中途半端が、最も不幸を生む。」

これだ。

今日は、この「言いにくいが、誰かが言わなければいけないこと」について、率直に話してみたい。

大晦日だし、思い切って言ってしまおう。

今年最後のブログ、じっくり読んで欲しい。

「とりあえず大学」という風潮の危険性

まず、現代の「とりあえず大学に行く」という風潮について、考えてみたい。

大学進学率は60%近く

現在、高校卒業生の約60%が大学に進学している。

これは一見、良いことのように見える。

「教育水準が上がった」

「選択肢が広がった」

という印象を抱く人も多いだろう。

しかし、本当にそうだろうか?

「大学全入時代」の現実

今は「大学全入時代」と言われている。

つまり、希望すれば、誰でもどこかの大学には入れる時代だ。

昔なら、考えられない話だ。特に今、50歳前後の方はそう思うだろう。

定員割れしている大学も多く、名前を書けば合格する、という話さえある(噂だけだと信じたい)。

この状況で、「とりあえず大学」に行くことに、本当に意味があるのだろうか?

いや、ない。

奨学金

さらに深刻なのは、奨学金の問題だ。

大学4年間の学費は、

国公立:約250万円

私立文系:約400万円

私立理系:約600万円

これを奨学金で賄う学生が増えている。親の手取りがどんどん減っていることも大きいだろう。

そして卒業後、就職して、毎月数万円ずつ奨学金を返済していく。

この負担が、若者の人生を圧迫している。

「とりあえず大学」に行って、借金だけが残る。

これが現実だ。

大学に行かなくても、幸せになれる

ここで、はっきり言っておきたいことがある。

大学に行かなくても幸せになれる。立派な人生を送ることができるということだ。

この当たり前のことを、きちんと認識する必要がある。

高卒で成功する4つの道

・職人・技術職の道

電気工事士

配管工

大工

左官

美容師

調理師

これらの職業は、高卒で就職し、技術を磨き、経験を積んで、独立することも可能だ。

下手な大卒サラリーマンより、はるかに稼ぐ人もたくさんいる。

・地元企業への就職

岩手県内には、優良な地元企業がたくさんある。

高卒で就職し、会社で経験を積み、昇進していく。この道も、立派なキャリアだ。

大卒で東京の会社に就職するより、高卒で地元の安定企業に就職する方が、トータルで見れば幸せかもしれない。

また、盛商、盛工、盛農から県外の大きな会社に就職する子も多い。こういう進路も普通科なら難しいだろう。

・公務員

高卒で公務員試験を受け、市役所や県庁で働く。これも、安定した人生設計だ。

大卒で民間企業に就職するより、給与は安定し、福利厚生も充実している。

大卒で公務員になろうとすると、倍率も高くなるので、選択肢としてありだろう。

・家業を継ぐ

実家が自営業、農業、商店などを営んでいる場合、高卒で家業に入る。これも、一つの選択だ。

わざわざ大学に行って、また地元に戻って家業を継ぐより、早くから経験を積む方が合理的かもしれない。

大切なのは「本人の適性」

つまり、すべての子どもが大学を目指す必要はないんだ。

手を動かすのが好きな子 → 職人の道

地元が好きな子 → 地元就職

安定を求める子 → 公務員

家業がある子 → 家業継承

こうした道も、立派な選択肢だ。

そう。無理に大学に行かせる必要はないんだ。

しかし、「大学に行くなら」という条件

ここまで、「無理に大学に行かなくても良い」と言ってきた。

では、大学に進学するとしたら、どうすれば良いのか?

もし、大学に行くなら、ちゃんとした大学に行くべきなんだ。

「中途半端」が最悪

最も不幸なのは、中途半端な進路だ。

【最悪のパターン】

中途半端な高校に進学

高校で勉強せず

推薦で中途半端な私立大学に進学

奨学金を背負う

就職活動で苦戦

非正規雇用や低賃金の仕事に就く

奨学金返済に苦しむ

このパターンに陥る若者が、本当に多い。

高卒で就職した方が、数段上の選択肢だった。

このように後悔する人を、何人も見てきた。

「大学に行くなら」の正解

では、大学に行くなら、どうすべきか。

答えは明確だ。

「県立上位校に進学し、国公立大学を目指す。」

このルートを選択したい。

なぜこのルートなのか?

・学費が安い

国公立大学なら、4年間で約250万円。私立の半分以下だ。

奨学金を借りる額も少なくて済む。

・就職に有利

国公立大学の看板は、就職活動で大きな武器になる。

中途半端な私立大学よりも、はるかに選択肢が広がる。

・質の高い教育

国公立大学は、教育の質が高く、研究環境も整っている。

「大学で学ぶ」という本来の目的を、きちんと果たすことができる。

・人生の選択肢が広がる

国公立大学を出れば、大企業、公務員、専門職。様々な道が開ける。

つまり、こういうこと

僕の結論を、改めて明確に述べよう。

「全員が大学を目指す必要はない。しかし、大学に行くなら、県立上位校→国公立大学というルートで、ちゃんとした大学に行け。」

高卒で成功する自信がある → その道を突っ走れ!

大学に行くと決めた → なら、ちゃんとした大学を目指せ!

中途半端が、最悪。

「高卒」か「大卒」か、どう判断するのか

ここで、多くの保護者の方が悩むだろう。

「うちの子は、高卒で就職した方がいいのか、大学を目指すべきなのか?」

判断の3つの基準

・本人の学力・学習意欲

中学時点で、勉強が極端に苦手、勉強が嫌いで仕方ない。こういう子に、無理に大学を目指させるのは酷なことだ。

高卒で、手に職をつける道を選ぶ方が、本人も幸せかもしれない。

・経済状況

国公立大学でも、4年間で250万円かかる。これに生活費を加えれば、さらに負担は大きくなる。

経済的に厳しいなら、高卒就職や公務員も、現実的な選択だ。

・将来の夢・適性

職人になりたい、美容師になりたい、調理師になりたい。

具体的な夢があるなら、高卒で専門の道に進む方が近道だ。

しかし、多くの場合、中学生は「まだ決められない」

現実には、中学生の段階で「高卒か大卒か」を明確に決められる子は、ほとんどいないだろう。

だからこそ、親の役割が重要になってくる。

子どもの適性を見極める

経済状況を踏まえる

そして、もし大学に行く可能性があるなら、県立上位校(岩手県なら、盛岡三高・盛岡四高・盛岡北高、盛岡市以外の地域トップ高)を目指すべきと伝える。

「まだ決まってないから、とりあえず普通の高校に」

これは最悪だ。

普通の高校からは、国公立大学への道が非常に険しくなる。

そして、中途半端な私立大学→奨学金地獄というパターンに陥りやすいんだ。

県立上位校(三高・四高・北高)→国公立大学(岩手大学)ルートの価値

「大学に行くなら、ちゃんとした大学に行け」と言った。

では、そのルートの具体的な価値を見ていこう。

価値1:質の高い環境

県立上位校(盛岡三高・盛岡四高・盛岡北高)には、優秀な仲間がいる。

これが何よりも大きい。

この環境で3年間過ごすことが、国公立大学合格への最短ルートなんだ。

価値2:経済的な合理性

国公立大学なら、4年間で約250万円。奨学金を借りても、返済可能な範囲だ。

中途半端な私立大学に400万円以上かけて、就職で苦労するより、はるかに合理的だ。

価値3:将来の選択肢

国公立大学を出れば、大企業、公務員、専門職。様々な道が開ける。

そして、この選択肢の広さこそが、人生の自由度を高めていく。

ただし、「高校に入ったらゴール」ではない

ここで、非常に重要なことを言いたい。

「県立上位校に合格しても、そこがゴールではない」ということだ。

高校で勉強しないなら、意味がない

当塾の卒業生でも、残念なパターンがある。

中学時代、本気で頑張って、県立上位校に合格。

しかし、高校に入学した途端、

「目標達成した」と気を抜く。

部活に没頭して、勉強しなくなる。

友達と遊ぶのに忙しく、勉強は後回し。

気づけば高3、進路で焦る。

そして、結局、

国公立大学は諦める。

推薦で中途半端な私立大学へ。

または、浪人(これは失敗とは言い切れないが)。

これでは、中学時代の努力が水の泡だ。

高校で本気でやらないなら、大学は諦めろ

もっと言えば、高校で本気で勉強しないなら、無理に大学に行く必要はない。

高校で勉強しない人間は、大学に行っても意味がない。

中途半端な成績で、中途半端な私立大学に入って、奨学金だけ背負って卒業する。

これが最悪のパターンだ。

それなら、高卒で就職する方が、賢明だ。

だからこそ、中学生の君に問いたい

県立上位校を目指している君。

「県立上位校に入ったら、そこから3年間、本気で勉強する覚悟はあるかい?」

この問いに、「はい」と答えられるなら、ぜひ目指して欲しい。

しかし、もし「高校に入ったら遊びたい」「部活だけ頑張りたい」と思っているなら、

県立上位校は、君の居場所ではない。

厳しい言い方かもしれないが、これが現実だ。

県立上位校の高校3年間は「大学受験のための3年間」だ。

そこで本気で勉強しない人間は、ただ教室にある自分の席を占有しているだけなんだ。

だからこそ、高校生の君に言いたい

そして、高校生の君。

もし今、勉強から逃げているなら

勉強したくないなら

無理に大学を目指さないで欲しい。

別の道を、真剣に考えて欲しい。

君には、大学進学は向いていないんだ。

中途半端が、最も不幸だから、大学は諦めよう。

働こう。

勉強したくない人は大学に行く必要はないんだから。

終わりに。 2026年は「本気」を選ぶ年に。

大晦日の今日、このシリーズを無事、締めくくることができた。

9日間、毎日読んでいただき、ありがとうございました。

スマホ、ゲーム、習い事、宿題、褒め方、塾、リビング学習、YouTube。

様々なテーマで、「結論」を出してきた。

そして最終回の今日は、最も本質的なテーマ、「大学進学」について話した。

すべての子どもが、大学を目指す必要はない。

高卒で職人になる、地元企業に就職する、公務員になる、家業を継ぐ。立派な選択肢だ。

しかし、もし大学に行くなら、ちゃんとした学校に行くべきだ。

中途半端な高校、中途半端な私立大学、奨学金の返済。このコンボだけは、避けなければならない。

大学に行くなら、県立上位校→国公立大学。

これだ。

明日から、新しい年が始まる。

2026年は「本気」を選ぶ年にしよう。

「とりあえず」を捨てる。 「ちゃんと」を選ぶ。

この覚悟が、人生を変える。

良いお年をお迎えください。

そして、2026年が、「本気」の年になりますように。

最新の投稿
関連記事