「国語の成績が悪いのをどうしたらいいですか?」
という質問に対して、「本を読むように。」と回答される先生方がいらっしゃいます。
正直に申しますと、読書習慣は国語の成績にとって、
「習慣があるに越したことはないけれども、無くてもさほど困らない。」
というのが、私の認識です。
国語の成績が悪いのは、読書習慣の有無ではなく、
「点数を取る力」との関連で考える必要があります。
国語を指導する立場から見て、
読書習慣がある生徒の成績の伸び悩みの要因は2つあります。
①読み方はしっかりしているのに、答え方が不十分である。
②読書経験が豊富な分だけ、自分流の解釈をしがちである。
どちらが当てはまるかは、テストの答案を見ると分かります。
①の場合、記述式でことごとく減点されています。特に、文末表現(〜ということ、〜だから)などで減点されていれば、このケースです。
②の場合、特に実力テストで初見の問題文が出た時に点数の波が激しかったりします。
悪い点数の時は、「本文がよく分からなかった」、「問題文が難しかった」という発言が出ます。
では、勉強法としては、どうすれば良いのでしょうか。その答えは、「解答、解説を読んで見直す」という方に時間を割く、ということです。
目安としては、小・中学生の場合、解く時間:見直す時間の割合を1:2とするのが理想的だと思います。
国語は、よく誤解されていますが、「あなたはどう思いますか?」を問われる科目ではありません。「本文には、何と書かれていますか?」を問われる科目です。
ですので、
手順①解答を見て、その答えの根拠となっている本文箇所に線を引く。
手順②設問から、なぜ①の箇所を見なくてはいけなかったかを考える。
という手順で見直しを行ってみてください。
すると、自然に問題文が書き込みで汚れてきます。 これがポイントです。
実は、「国語が苦手な生徒ほど、問題文がキレイ」です。
算数、数学に置き換えると分かりやすいのですが、
「問題文への書き込み=途中計算式」と考えると、国語が苦手な生徒は、途中計算式を一切書かずに算数、数学の問題を解くという、「それは間違うに決まってるでしょ。」ということを平気で行っています。
国語は、答えを考えるより探す科目なので、その探し方を身につける必要があります。
また、ヒントは、本文箇所にしかありませんので、本を読むというよりは、ある種の「パズル感覚」で解くイメージになります。
ですので、上述した方法で問題文をどんどん汚し、「見直し」に時間をかけて、この感覚を身につける様にしましょう。