4月29日に令和4年度の全日本柔道選手権が行なわれました。
全日本選手権は体重無差別で行われ、真の日本一を決める大会と言えます。私が中学生の時には、故・古賀稔彦さんが71キロ級ながら決勝まで勝ち進み、当時、世界最強だった小川直也さんと決勝で戦い、私は生中継を緊張しながら見ていた記憶があります(結果は小川直也さんが足車で一本勝ち)。
今年の決勝戦は、世界チャンピオンの影浦心選手と斉藤立選手の対戦でした。立選手は、ソウルオリンピックとロサンゼルスオリンピックの2大会連続金メダリストだった、故・斉藤仁さんの次男です。この斉藤仁さんがソウルオリンピックで金メダルを取った姿を見て、私は柔道をやろうと決めたのでした。当時、私は小6でした。つまり、斉藤仁さんは私が柔道を始めるきっかけを与えてくれた方なのです。
そして、今年の決勝戦の主審をされていたのが、真喜志慶治さんでした。何を隠そう、私が最初に大好きになった(憧れた)柔道選手がこの真喜志さんだったんです。中3に上がる前の春休み、テレビ中継で春の全国高校柔道選手権を見ました。その時に、沖縄尚学の大エースとして活躍する真喜志さんの柔道スタイルに憧れました。重量級ながら、背負い投げなどの担ぎ技も得意としているのを見て衝撃を受け、何度も技を真似たのを覚えています。そうです。私が柔道に本格的にハマるきっかけをくれた方なのです。
今年の決勝戦は、本当に大熱戦でした。その中で影浦選手の技が止まった時があり、誰もが指導の累積で勝負が決まると思った瞬間がありました。しかし、主審の真喜志さんは指導を与えず、試合を継続させました。その直後、立選手が足車で技ありを奪い、きちんとした技のポイントで勝敗が決まりました。もしかしたら、主審としては指導を取るべき場面だったのかもしれません。しかし、そこは主審の裁量の部分があります。この真喜志さんのジャッジが後世に残るであろう名勝負を演出したと感じました。
これこそ、私がハマった柔道の姿だ。そう感じたのです。
真喜志さん、ナイスジャッジ!