高校生

大学受験のレベル感を伝えたい

自分が大学受験をした保護者の皆様は、その経験を子供に伝えることが多いと思います。

それは、成功も失敗もです。これは、とても素晴らしい事だと思います!

しかし、その頃から数十年が経過し、大学受験という仕組み自体が当時とは大きく変わってしまっているという事実も考慮していただきたいという気持ちがあります。

この認識が絶対的に大切だと感じています。推薦入学が大学入学者数の過半数を超えるなんて想像すらできなかったですし、センター試験利用(今は共通テスト利用)で合格できるなんて、保護者の皆様の受験生時代から考えると、意味不明だと思います。私たちの頃はセンター試験利用なんて、慶應の法学部(9割で合格)か横浜国立大学の経営学部(8割で合格)くらいしかなかったですからね。私は受験生の時、こういう仕組みがあることすら知りませんでしたが(笑)。

つまり、大学受験の何もかもが変わってしまったのです。

「でも、結局はテストで点を取れる実力があればいいんでしょ?」

確かにそうなのですが、そう言い切れるのは一部の本当の上位層だけなのだと思います。

つまり、東大・京大・一橋・東工大・旧帝大(東北・北海道・名古屋・大阪・九州)・医学部などを目指す生徒の話です。ただ、その旧帝大ですら、推薦枠が増えてきています。特に東北大は積極的ですよね。

そうなると、「最後にスパートを掛ければ間に合う。自分もそうだった。」という考えかたが成立しないのです。今は、何よりも事前準備が大切です。スタート前に通るルートを決めて、そこからの逆算で一歩ずつ進んでいく。これがなによりも大事なのだと実感しています。最短で行けるとかそういうレベルでは最早なく、それを間違うと道自体がなくなるという話です。

さて、高校生の入塾面談では、大学入試の難易度の話になる事が多いです。

「できれば、東北大学や早稲田・慶應を目指したい。」 「最低でもGMARCHには行きたい。」特に、盛岡一高に通う生徒は、このように思うでしょう。保護者の皆様も「盛岡一高にいけばこの辺りの大学には行けるだろう」とお考えだと思います。これは、一高出身ではない保護者の皆様に多い傾向のような気がします。

ざっくりと各大学の難易度を確認してみます。

◎東大・京大・一橋・東工大(東京一工)偏差値70以上

これは、大学受験生の上位2%

◎早稲田・慶應・北大・東北大・阪大・名大・九大(早慶・旧帝大)偏差値65〜70

これは、大学受験生の上位5%

◎学習院・明治・青学・立教・中央・法政(いわゆるGMARCH)偏差値60〜65

これは、大学受験生の上位10%

◎日大・東洋・駒沢・専修(日東駒専)偏差値50〜55

これは、大学受験生の上位30%

こんな感じです。 ここで着目したいのは、大学受験の偏差値や上位%は高校受験の時の偏差値とは全く違うものだということです。

そもそも偏差値とは、全体の中でどのくらいの位置にいるかを表しています。

高校受験の時は、岩手県内の全中3生が対象ですから、大学受験を想定していない子達も入っているのです。しかし、大学受験での母体は概ね高校受験での偏差値が50以上の高校に通う生徒になっています。盛岡で言えば、盛岡二高以上というイメージになります。偏差値50というのは、模試でちょうど平均点を表しますので、高校受験時に上位50%だった生徒たちです。その母体で出した偏差値50が大学受験の偏差値50なのです。

つまり、大学受験の偏差値50は岩手県の公立高校受験の偏差値60程度になるのです。そうなると、GMARCHの偏差値60というのは高校入試の偏差値70と同レベルということになります。盛岡一高の偏差値が68くらいですから、生徒の大半はGMARCHのレベルまで達しないという話になるのですね。

これが大学入試のレベル感なのです。ハッキリ言って、甘くないのです。この基準を「知る」ことからスタートするのが大学受験なのだと思います。

最新の投稿
関連記事