塾長コラム

『中学の内容を完璧にしてから』は 本当に正しいのでしょうか?

「中学の内容を完璧にしてから高校へ」は 本当に正しいのでしょうか?

受験業界でよく言われることがあります

「中学の基礎を完璧にしてから次のステージへ」
「今のうちにしっかり固めておかないと後で苦労する」

でも 僕はずっとこれに違和感を持っています

そのステージに 留まり続ける必要はないんです

成績上位層の顔ぶれは ステージごとに入れ替わります

小学校で神童と呼ばれた子が 中学で伸び悩む
中学でトップだった子が 高校に入って急に失速する

教育現場では 決して珍しいことじゃありません

なぜか

ステージが上がるにつれて 求められる能力が根本的に変わるからです

小学生は 素直に与えられたことをこなせる子が強い
中学生は コツコツ真面目に続けられる子が強い
高校生は 自分で考えて戦略を立てられる子が強い

「中学で勝てる勉強」を極めすぎた子が 高校以降のスケールに太刀打ちできなくなるのは この「ゲームのルールが変わる」ことに 対応できないからです

テニスの伊達公子さんが言っていたこと

スポーツの世界でも 全く同じことが言われています

日本のジュニア選手は 体が小さく未熟な時期に「ジュニアの大会で今すぐ勝てるテクニック」を早くから完成させてしまう

でも欧米の選手は 子どもの頃は未熟でミスが多くても 将来プロになったときに勝てる「スケールの大きなテニス」を目指している

伊達公子さんがこういう趣旨のことを語っていました

「今のステージで勝てる形を完成させること」と「次のステージで通用する力を育てること」は 全く別の話なんです

受験業界が作り出す「罠」

日本の塾の指導は「出題パターンを暗記して 素早く正確に処理する」トレーニングに傾倒しがちです

この方法は 短期間で偏差値が上がります
塾側にとっても「実績」になるので 都合が良い

でも 大人が完全にペースを管理して パターンの丸暗記で合格させると 子どもから「自分の頭で試行錯誤する余白」が奪われていきます

言われたことをこなすだけで高校に進んでしまうと 本当の意味での壁にぶつかった時に ポキっと折れてしまうんです

だから うちは「急かさない」

今のステージを完璧にすることより 次のステージで通用する力を育てることを 大事にしています

解けない問題に対して 自分なりにウンウンと悩む経験
自分で計画を立てて 失敗して 修正する余白

これを意図的に残しておくことが 高校でも大学受験でも 社会に出てからも折れずに伸び続ける力に繋がると確信しています

「中学の内容を完璧にしてから」と言われたとき 少し立ち止まって考えてみてほしいんです

完璧にしようとしているのは 今のステージで勝つためですか?

それとも 次のステージで通用するためですか?

この問いに 答えてから動いてほしいと思っています

「うちの子、志望校に届くんだろうか?」

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