受験

夏休みまでに偏差値50未満から脱却するための勉強戦略 〜地方国公立文系を目指す君へ〜

今日は、全統模試で偏差値50未満の高校3年生が、夏休みまでに学力を底上げし、地元の国公立大学(文系)に合格できる実力の土台を築くための学習戦略について、説明してみよう。目標は「偏差値60前後までの基礎力の完成」だ。夏休みが終わる頃には、「勉強の型」「基礎力」「学習習慣」の3つを身につけ、自信を持って秋以降の演習に入っていけるようにしよう。

■ 全体像と意識改革
まず意識すべきことは、現時点の偏差値に一喜一憂せず、「夏までに何をどこまで完成させるか」にフォーカスすることだ。今の成績が悪いのは、学力がないというより、やるべきことを系統的に積み上げてこなかった結果なんだ。つまり、やり方と継続次第で偏差値は大きく変わるということだ。

【夏までの全体目標】
・主要3科目(英語・国語・地歴)で共通テスト6割、二次で簡単な記述問題に対応できる基礎力をつける。
・毎日5〜7時間の学習習慣を確立する。
・主要参考書を1周ではなく、2〜3周やり込み、記憶の定着を図る。

それでは、科目別に取り組み方と参考書、目標レベルを説明してみよう。

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【英語】
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英語は、文系にとって最も配点の高い科目だ。夏までに「単語・文法・構文・基礎読解」の4つを重点的に仕上げることを意識しよう。

①英単語
【参考書】
・『システム英単語 Basic』(駿台文庫)
【やり方】
・1日100語、1週間で700語を目標に、3〜4周繰り返す
・例文とセットで覚え、英→日・日→英ともに言えるようにする。
【目標】
・夏までに1200語以上を即答できるレベル。

②英文法
【参考書】
・『大岩のいちばんはじめの英文法』(ナガセ)
・『Next Stage』(桐原書店)
【やり方】
・まず大岩で文法の全体像を1週間で把握する。
・その後Next Stageで文法・語法問題を演習。1日2セクションずつ進め、1ヶ月で1周。
【目標】
・Next Stageの英文法・語法・イディオムの頻出項目を90%以上正解できるようにする。

③構文・読解
【参考書】
・『英文解釈入門 基本はここだ!』(語学春秋社)
・『基礎英文問題精講』(旺文社)
【やり方】
・構文理解のために、1日2文ずつ精読・音読。
・訳を自力で書いた後、文構造を分析し、音読。
【目標】
・基本的な構文(SVOC)を見抜いて訳せる力を養成する。

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【国語(現代文・古文)】
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国語は配点が高い一方、後回しにされがちだが、安定した読解力は文系合格に必須なんだ。

①現代文
【参考書】
・『現代文読解力の開発講座』(駿台文庫)
・『入試現代文へのアクセス 基本編』(河合出版)
【やり方】
・まず「開発講座」で論理的な読み方を理解。
・その後「アクセス」で実戦的読解。
・本文をノートに要約する習慣をつける。
【目標】
・設問正答率70%以上、要約を150字以内でまとめられる力。

②古文
【参考書】
・『マドンナ古文』『マドンナ古文単語』(学研)
・『富井の古典文法をはじめからていねいに』(東進ブックス)
【やり方】
・文法は「富井」で1週間で通読、活用形を口頭で即答できるように。
・マドンナで単語と読解を並行学習。
・1日5単語、毎日音読・書き取り。
【目標】
・基本単語300語、助動詞の意味・接続・活用の即答、簡単な古文が読める力。

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【地歴(日本史 or 世界史)】
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社会科目は暗記だけと思われがちだが、「流れの理解」「因果関係」「用語の背景」を意識することでだいぶ進めやすくなる。

【参考書】
・『金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本』(東進ブックス)
・『蔭山のセンター政治経済』(学研)※地歴未選択者向け
・『一問一答(山川出版社)』

【やり方】
・夏までに通史を一気に仕上げる。
・1日1テーマ(時代ごと)で読み込み、2週間で通史を1周。
・その後、一問一答で語句の暗記。3周以上。
【目標】
・通史の流れを説明できる、重要語句を見て背景が語れる力。

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【学習スケジュール例(土日)】
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・08:30〜10:00 英単語+英文法
・10:15〜11:45 英文解釈+音読
・13:00〜14:30 現代文 or 古文
・14:45〜16:15 地歴(通史)
・16:30〜17:30 暗記(古文単語・地歴一問一答)
・夜:確認テスト、自学演習、復習 90分

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【最後に】
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成績を伸ばせるかどうかは、「毎日やり切れるか」に尽きる。完璧主義ではなく、「まずは1周、完璧は2周目」という意識でテンポよく進めることが大事だ。参考書も1冊をやり切ることが最重要と言えるだろう。

自信は「実行の積み重ね」からしか生まれない。今日から始めれば、夏には「変わった自分」に出会えるはずだ。

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