普段、授業をしていると「問題文の読み解き」の部分で大きな差が付くということが分かります。で、この問題文を読み解くという事が言うほど簡単ではありません。実際、これができてしまえば、その問題の8割は解けたも同然になるのです。
逆に、勉強を頑張って、どんなに知識を身につけたとしても、この「読み解き」で問題文を正確に把握できなければ正答を導きだすことができないとも言えるのです。そして、この能力こそ、将来に役立つ力だと思います。
問題文を読み解く事は基本だが、決してかんたんではない
これを認識する必要があります。「問題文を読みとく事ができない」と聞くと、「そんな簡単なこともできないのか!」と思われるかもしれません。しかし、これは多くの人間が抱えている問題ですので、むしろ大半の方が該当するといえるでしょう。
まず、問題文に注意を向けるという段階に行かなくてはいけません。そもそも、問題文をまったく気にしないという生徒がいます。これは、①問題文を読むという習慣がない、②問題文を読むことが重要だと思っていいない、③文字自体に拒否反応を示してしまうという理由があると思っています。
①に関して、問題文を読むというのは、自然にできることではありません。日常生活の中で、一言一句読み取る必要がある場面はほとんどないからです。小説や雑誌などの活字を読むときも、無意識に飛ばし読みをしていると思います。これは、学校の授業でも同じで、きちんと一言一句読みとく必要がある問題なんて、ほとんど扱っていないのです。つまり、きちんとトレーニングをしていく必要があるということです。
②に関して、小学校の低学年や中学年くらいまでは、問題文をほとんど読まなくても正解することができます。そういう子にとっては、問題文なんてただの「めんどくさい一文」という認識なのです。しかし、ここで問題文をきちんと読まないでいると、いつか大きな壁にぶつかるのです。逆に、要領が悪そうに見える子が学年が上がるにつれて学力が伸びるケースは、学年が低い頃からきちんと問題文を読みとこうとしている場合が多いと感じています。
③に関して、文字の量が多いだけで拒否反応を起こす場合があります。こういう場合は、少し免疫をつけていかないといけませんので、一度に読む文字数を減らしていく必要があります。