昨日は、中1の数学を担当しました。
まだ学校の授業が始まっていないので、コツコツ少しだけ先取りをやっています。絶対値からスタートし、数の大小関係まで進んでいます。今は、テキストの進め方、〇付けの仕方、例題、確認問題、練習問題の違いなども確認し、塾以外(特に家庭)での勉強の仕方まで確認していく時期になっています。
中1の場合、最初のゴールデンウィークくらいまでは部活の仮入部期間で、そこまでは学校生活になれるための時期です。ただでさえ忙しくて慌ただしい毎日を送るわけですから、勉強は落ち着いて取り組みたいですよね。そう思って、授業も進めています。
さて、中1の数学ですが、最初は正負の数からスタートします。これは、昔からほとんど変わらないことなので、保護者の皆さんも、「あー、そうかー。懐かしいなー。」と思われるでしょう。しかし、ここでつまずく子も意外と多いんですよね。私は、この理由を「数直線の理解不足」だと思っています。
例えば、以下のような計算が出てきます。
(+3)+(+5)=+(3+5)=+8
(-3)+(-5)=ー(3+5)=-8
これを、同符号の和の場合は「絶対値の和に共通の符号」をつける、と習います。この途中式の意味は、そういうことなのです。「+(3+5)」の部分ですね。
もうひとつ計算を見てみましょう。
(-3)+(+5)=+ (5-3)=+2
(+3)+(-5)=ー(5-3)=-2
これを、異符号の和の場合は「絶対値の差に絶対値が大きい方の符号」をつける、と習います。途中式の「+(5-3)」の部分ですね。
教科書にも、このような説明が載っています。しかし、これは「最近まで小学生だった子」には分かりにくい説明だと思いますよ。ですので、これを機械的に覚えちゃう子が多いんです。結果だけ覚えちゃうんですよね。また、この計算の仕方を定期テストで書かせたりする先生がいるのも良くないと思うんです。これ、何とかしてくれないですかね?
ここで重要なのは数直線を使った正負の数の考え方であって、数直線の感覚を理解できていれば、こんな計算で間違うわけはないんですよね。この考え方を理解した上で、結果として、「(+3)+(-5)=ー(5-3)=-2」みたいになると受けとめている子と、意味も分からずやり方だけを暗記している子は、見た目だけでは見分けがつきません。しかし、1年も経ったら大きな差になるんだろうなというのは簡単に想像がつくと思います。こういう部分に、ぜひ気をつけて欲しいと思います。