子育て

ドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」に涙した僕が、今、保護者の皆様に伝えたいこと。

この前の日曜日、ドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」が最終回を迎えた。

妻夫木聡が主演の、競馬を舞台にしたこのドラマ。

僕は毎週、目頭を熱くしながら観ていた。

なぜ、これほどまでに心を揺さぶられたのか。

そして、このドラマから何を学んだのか。

今日は、そのことを保護者の皆様にお伝えしたいと思う。

※この記事は、あくまで僕個人の感想と考えを綴ったものだ。

ドラマの内容に関するネタバレを含むので、注意して読んで欲しい。

僕が、なぜここまで夢中になったのか

正直に告白しよう。僕は競馬が大好きだ。

最初に好きになった馬は「マーベラスサンデー」だった。

だからこそ、夢中になったということは、もちろんあるだろう。

しかし、このドラマは「競馬を知っているかどうか」など関係なく、

人間の本質に迫る物語だったと思うんだ。

ドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」は税理士の栗須栄治(妻夫木聡)が、ある馬主との出会いをきっかけに、競走馬「ロイヤルホープ」、そしてその子「ロイヤルファミリー」と20年近くの歳月を共にする物語だ。

何度も何度も挫折し、それでも諦めない大人たちの姿。

言葉を話せない馬に、自分たちの夢と希望を託す人々の純粋な情熱。

そして、血縁を超えた「家族」の絆。

このドラマは、僕たち大人が忘れかけていた「本気で何かを信じる力」を思い出させてくれたと思う。

「2年後の有馬記念で勝つ」という無謀な夢

ドラマの中で、主人公たちは「2年後の有馬記念で勝つ」という途方もない目標を掲げる。

競馬に詳しい方なら、これがいかに無謀な目標か分かるだろう。

しかし、彼らは本気だった。

調教師も、騎手も、馬主も、そして栗須も。

チーム全員が同じ夢を見て、それぞれの役割を果たし、毎日を積み重ねていく。

途中、何度も困難が訪れます。

馬の故障、落馬、人間関係のもつれ、騎手の交代、角膜の病気…。

普通なら「もう無理だ」と諦めてしまうような出来事の連続だ。

それでも、彼らは諦めなかった。

この姿を見ながら、僕は自分が10年前に塾を立ち上げた時のことを思い出していた。

10年前、僕が「個別指導アンビシャス」を始めた理由

僕がこの塾を始めたのは、「子どもたち一人ひとりが持っている可能性を、本当に信じてくれる場所を作りたい」という想いからだった。

当時、塾業界を見渡すと、効率やシステムが優先され、まるで工場のように子どもたちを「処理」しているような場所が少なくなかった。

もちろん、それはそれで一つの形だと思う。しかし、僕には違和感があった。

少なくとも、自分の子供を通わせたいとは思わなかったんだ。

教育は、人と人との営みだと思う。

一人ひとり、つまずくポイントも、得意なことも、性格も違う。

同じ教材、同じペースで進めれば全員が伸びるなんて、ありえないことなんだ。

だから僕は、「第二の家庭」のような塾を作りたいと考えた。

間違えることを恥ずかしがらず、「できない」を素直に言える場所。

そして、その「できない」を一緒に「できる」に変えていける場所。

「ザ・ロイヤルファミリー」のチームロイヤルと同じように、

それぞれが役割を果たし、一つの目標に向かって進んでいける場所を作りたかったんだ。

「問題を間違えてくれてありがとう」という姿勢の本質

アンビシャスでは、「問題を間違えてくれてありがとう」という言葉を大切にしている。

これは単なるポジティブシンキングではない。

本質は、「間違いこそが、成長への入り口である」という考え方だ。

ドラマの中で、ロイヤルファミリーは何度もレースで負ける。

しかし、その度にチームは「なぜ負けたのか」を徹底的に分析し、次への糧にしていった。

騎手の乗り方が合わなかったのか、距離が合わなかったのか、調教の方法に問題があったのか。

一つひとつ検証し、改善していく姿があった。

負けることは、恥ではない。

負けから学ばないことこそが、本当の敗北なんだ。

これは、勉強も全く同じだと思っている。

テストで80点を取った子がいたとしよう。

多くの人は「80点も取れた!」と喜ぶだろう。

もちろん、それは素晴らしいことだ。

でも僕たちは、その子と一緒に「20点分、何を間違えたのか」を丁寧に見ていく。

計算ミスなのか、公式を覚えていなかったのか、問題文の意味を取り違えたのか。

その20点の中に、その子が次に100点を取るためのヒントが詰まっているからなんだ。

長い時間軸で見ること。20年の物語が教えてくれたもの。

「ザ・ロイヤルファミリー」は、2011年から2030年までの約20年間を描いた物語だ。

主人公の栗須たちは、目の前の一つのレースに一喜一憂しながらも、常に長期的な視点を持っていた

「今年ダメでも、来年がある」「この経験は、次に必ず活きる」と。

これは、教育においても最も大切な視点だと、僕は考えている。

保護者の皆様と話していると、時々、

「次のテストで結果を出さないと」

「今年の受験で失敗したら終わりだ」という焦りを感じることがある。

気持ちは、痛いほど分かる。なぜなら、僕も親だから。

しかし、教育は短距離走ではない。

人生という長いマラソンの、ほんの一区間に過ぎないんだ。

今、成績が伸び悩んでいる子も、正しい方法で、諦めずに続けていけば、必ず花開く時が来る。

逆に、今すぐに結果を出そうと無理をして、勉強が嫌いになってしまったら、

長い人生で考えたときに大きな損失となってしまう。

ドラマの中で、ロイヤルホープという馬は最後まで大きなレースで勝てなかった。

しかし、その子であるロイヤルファミリーが、父の夢を継いで走り続けるんだ。

親から子へ、先輩から後輩へ。想いは受け継がれていくんだ。

今、子供が学んでいることは、すぐに結果として現れなくても、必ず将来の糧となる。

それを信じて、長い目で見守ってあげてほしい。

諦めない心は、どこから生まれるのか

このドラマを見ていて、最も心を打たれたのは、登場人物たちが何度倒れても立ち上がる姿だった。

ロイヤルファミリーが角膜の病気になり、競走馬生命の危機に陥ったとき、

栗須たちは日本中を駆け回って治療法を探す。

普通なら「もう無理だ」と諦めるところを、彼らは決して諦めなかった。

なぜ、彼らは諦めなかったのか。

それは、彼らには「信じる仲間」がいたからだと思う。

一人では折れてしまう心も、仲間がいれば立ち上がれる。

「自分が諦めたら、この馬を信じてくれている人たちを裏切ることになる」という責任感と、

「仲間が諦めていないのだから、自分も諦められない」という連帯感。

これこそが、困難を乗り越える力の源泉なのだと思う。

アンビシャスで、僕たちが「第二の家庭」を目指しているのは、まさにこのためだ。

塾は勉強だけを教える場所ではない。

子どもたちが安心して挑戦でき、失敗しても受け止めてもらえる場所。

そして、「自分を信じてくれる人がいる」と実感できる場所でありたいんだ。

「家族」の形は一つじゃない。血縁を超えた絆があるんだ。

ドラマのタイトル「ザ・ロイヤルファミリー」には、競走馬の名前以上の意味が込められている。

栗須と山王家、調教師の広中、騎手たち。

そして次世代の中条耕一や野崎翔平。

血はつながっていないけれど、彼らは確かに「家族」だった。

同じ夢を見て、同じ目標に向かって、互いを支え合う。

これこそが、本当の家族の姿なのではないだろうか。

僕は、アンビシャスもそういう場所でありたいと思っています。

通ってくれている生徒たち、卒業していった生徒たち、そして保護者の皆様。

みんなで一つの「アンビシャスファミリー」だ。

だからこそ、僕たちは生徒一人ひとりの成長を、本当に自分のことのように喜び、

時には一緒に悔しがるんだ。

「先生、テストで90点取れました!」と報告に来てくれる生徒の嬉しそうな顔を見ると、

僕も心の底から嬉しくなる。

「この前までは50点だったのに、よく頑張ったね」と。

逆に、「今回は思ったように点数が取れなかった・・・」と落ち込んでいる生徒には、

「大丈夫、次がある。今回の間違いをしっかり分析して、次に活かそう」と声をかける。

これは、仕事だからやっているのではない。

本当に、心からそう思っているからだ。

夢を持つことの大切さ、そして夢を語れる大人であること

ドラマの終盤、70歳を超えた山王耕造(佐藤浩市)と椎名善弘(沢村一樹)という二人の馬主が、ライバルとして、そして友として、有馬記念で対決する場面があった。

二人とも、年齢を重ねてもなお、夢を追い続けている。

その姿は、本当にかっこよかった。

子どもたちに「夢を持て」「目標に向かって頑張れ」と言う前に、

僕たち大人自身が夢を持ち、挑戦し続ける姿を見せることが大切なのではないだろうか。

僕にとって、アンビシャスの運営は、まさに夢への挑戦だ。

「すべての子どもたちが、自分の可能性を信じて、前向きに成長できる場所を作る」という夢。

10年経った今も、その夢は完成していない。

毎年、新しい生徒たちが入ってきて、それぞれ違う課題を持っている。

その一人ひとりに最善の指導をするために、僕たちも日々学び、成長し続けている。

保護者の皆様にも、ぜひ、自分の子の前で夢を語ってほしい。

「自分は、こういうことを目指しているんだ」と。

たとえそれが、すぐには叶わない大きな夢であっても。

子どもたちは、そういう親の姿を見て、

「大人になっても、夢を追い続けていいんだ」と学ぶのではないだろうか。

失敗を恐れない勇気。レースに出なければ、勝つこともできない。

ロイヤルファミリーは、何度もレースに出走し、何度も負けた。

しかし、レースに出なければ、絶対に勝つことはできなかった。

これは、子どもたちの学びにも当てはまると思う。

「間違えたら恥ずかしい」「できなかったらどうしよう」という恐れから、

挑戦をためらう子どもたちがいる。

でも、挑戦しなければ、成長もないんだ。

アンビシャスでは、

「間違えることは恥ずかしくない。間違いから学ぶことこそが、成長なんだ」

と繰り返し伝えている。

そして、実際に間違えたときには、

「間違えてくれてありがとう。これで君の弱点が分かったから、一緒に克服しよう」という思いを持って接している。

この積み重ねによって、子どもたちは少しずつ「失敗を恐れない勇気」を身につけていくんだ。

保護者の皆様にお願いしたいのは、自分の子が失敗したときに、

怒るのではなく、一緒に「次はどうすればいいか」を考えてあげてほしいということだ(ただし、怒ることも時には必要。絶対に必要)。

「なんでこんな点数なの!」ではなく、

「どこが難しかった? 一緒に見てみようか」と。

そうすることで、子どもたちは「失敗しても、受け止めてもらえる」という安心感を持ち、次の挑戦に向かう勇気を得ることができるだろう。

ただ、親子だと感情がノーガードでぶつかってしまい、難しいのは僕も親だからわかる。

その時は、誰か信頼できる指導者に預けるのもありだと思う。

涙の意味。感動するということは、心が動いているということ。

最後に、なぜ僕がこのドラマに何度も涙したのか、改めて考えてみました。

それは、このドラマが「人間の美しい部分」を真っ直ぐに描いていたからだと思う。

計算や打算ではなく、純粋に夢を追いかける姿。 

仲間を信じ、支え合う姿。 

何度倒れても立ち上がる姿。

 言葉を話せない馬に、全てを託す姿。

これらは、私たちが日常生活の中で忘れがちな、しかし人間として最も大切なものではないだろうか。

涙が出るということは、心が動いているということ。

何かに感動し、共感しているということだ。

僕は、子どもたちにそういう「心が動く経験」をたくさん持ってほしいと思っている。

勉強ができるようになることも大切だ。志望校に合格することも大切だ。

でも、それ以上に大切なのは、人として豊かな心を持つこと。

困難に直面しても諦めない強さを持つこと。

仲間を大切にする優しさを持つこと。

そういう人間に育ってほしいんだ。

そして、そのための土台を作る手伝いをするのが、僕たちアンビシャスの役割だと思っています。

最後に。

最後まで読んでくれて、ありがとうございます。

「ザ・ロイヤルファミリー」というドラマに涙した僕の想いを通じて、

塾長としての僕の考えや、アンビシャスが大切にしていることを、

少しでも理解してもらえたら嬉しい。

子育ても、教育も、長い道のりだ。

時には不安になったり、焦ったりすることもあるだろう。本当によくあることだろう。

でも、どうか子供を長い目で見てあげて欲しい。

今日できなかったことが、明日できるようになる。

今月ダメだったことが、来月できるようになる。

そういう小さな成長の積み重ねが、やがて大きな花を咲かせるからだ。

アンビシャスは、子供の成長を長期的な視点で見守り、支えていく場所だ。

保護者の皆様と一緒に、子供達の未来を創っていきたいと思っている。

僕たちは、塾生一人ひとりの可能性を本気で信じている。

そして、その可能性を最大限に引き出すために、全力でサポートする。

「問題を間違えてくれてありがとう」 

この言葉を、これからも大切にして、日々の指導に取り組んでいきたいと思う。

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