昨日、中学生から「どうしても覚えるのが苦手なんです」と相談を受けました。
「繰り返しやってないんじゃないの?」と聞いてみると、本人は不満げにこう答えました。
「いや、3回読んでます。でも覚えられないんです」
僕はすかさず、こう返しました。
「えっ、たった3回読んだだけで全部覚えられたら、やばいぐらい頭いい天才やん!」
本人はキョトンとしていましたが、そりゃそうです。
たった3回テキストを読んだだけで完璧に暗記できるなら、
世の中の誰も受験勉強で苦労なんてしません。
中学生を指導しているとよく痛感するのですが、
彼らの「これくらいやれば十分だろう」という努力の基準値は、
大人が思っている以上に甘いです。
心のどこかで「自分はもっとスッとできるはず」という過信があるのか、
「ここまで泥臭く反復しなければいけないのか」というリアルな基準を知らない子が大半なんです。
人間の脳の構造上、その場で3回連続で読んで覚えること自体がそもそも困難です。
今日読んで、次の日に復習して、さらに1週間後にまた復習する。
そうやって何度も何度も触れることで、ようやく「忘れないで覚えている部分」が少しずつ増えていく。
これが勉強のリアルな泥臭さです。
大人になれば、ただ暗記することが正解ではなくなりますし、忘れてもいい情報もたくさん出てきます。
しかし、この「反復を通して、だんだんと自分の血肉にしていく(身につけていく)」という感覚は、勉強に限らず、仕事でもスポーツでも、人生のあらゆる場面で共通する大切な基礎スキルです。
「3回で覚えられる魔法なんてない」。
この当たり前な現実に気づき、等身大の自分を受け入れて地道な反復を始められるようになること。
それが、テストに向けた勉強を通じて子どもたちが学ぶべき、一番の財産なのかもしれません。
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