高校受験勉強法

高校入試の社会の勉強法

あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

今年の最初のテーマは「社会の勉強法」です。

「社会」

この教科、どのようなイメージがあるでしょうか?

「社会って覚えるだけでしょ?」と思った方が大半ではないでしょうか?

実際、半分は当たっています。他の教科に比べると暗記する部分は多いです。ただ、分野が多いため、単純な暗記だけでは「やってらんねーな」となるのも社会だと思います。

社会は成績を上げやすい

こうも言われます。たしかに、よほどの苦手意識を持っていない限り、努力の量に成績が比例しやすい教科だと思います。

社会は確かに分野が多いのですが、各分野をある程度独立させて捉える事ができます。

仮に1年生の歴史の内容をきちんと暗記出来ていなくても、2年生や3年生で勉強する内容を理解することは可能なのです。

積み上げ式ではない部分が相当にあるということですね。これが、積み上げ式である国数英と決定的に違うことなのです。

高校入試では、「歴史」「地理」「公民」の3分野が均等に出題されます。3つに共通して言えることは、背景や年代なども一緒に覚えることが大切だということです。

では、各分野ごとに説明をしてみます。

➀歴史の勉強法

歴史は、流れを掴むことが最優先です。流れというか因果関係ですね。その事柄の背景や時系列などを一緒に覚えていく事で、細かい部分も格段に覚えやすくなっていくからです。

よく言われるのは、年表表を作成して事柄を時間の流れに沿って覚えていくことです。でも、これはけっこうハードルが高いと思うんです。ですので、もう少しハードルを下げましょう。

まずは、特定の時代だけで良いですので、深く掘り下げてみるのです。

例えば、元寇から室町幕府成立までをまとめてみます。

(1)1274年と1281年に元軍が九州北部に襲来。これに対し日本は、当時の執権北条時宗のもと、御家人たちが集結して応戦しました。日本軍は苦戦を強いられますが、2回とも暴風雨に遭ったため元軍は撤退しました。これが元寇です。

(2)当時の幕府と御家人は、「御恩と奉公」による封建制度で結ばれていました。しかし、元寇では「元の攻撃から日本を守った」だけで、何も手にしていない幕府は御家人たちに十分な恩賞をあげることができませんでした。これにより、御家人たちの生活が苦しくなります。

(3)そこで幕府は1297年、御家人たちの救済を目的として徳政令を出します。実は徳政令は、このあと何度か出されているので、この1297年のものを「永仁の徳政令」といいます。

(4)徳政令は簡単に言えば借金を帳消しにするものなので、御家人の生活は改善するかと思いきや、ますます悪化してしまいます。なぜなら、一時的に借金が無くなっても生活していくために新たな借金をしなくてはならないからです。ところが、その借金ができなくなったのです。お金を貸す人の立場になって考えるとすぐ分かりますね。お金を貸しても、徳政令を出されてしまってはそのお金は返ってこないので丸々損してしまうわけですね。

(5)生活が苦しくなった御家人たちは、幕府への不満を募らせていきます。そして、ついに倒幕運動へと発展します。このときの御家人のリーダーが足利尊氏です。さらに、この流れに便乗した人物がいます。それが後醍醐天皇です。元々、政治は朝廷が行っていたのですが、武士の台頭でその力は衰えていました。そこで、この機を逃すまいと参戦してきたのです。

(6)こうした動きの中、1333年ついに鎌倉幕府は滅亡してしまいました。

(7)幕府を倒したあとの1334年、後醍醐天皇は早速政治を開始します(建武の新政)。

(8)建武の新政は天皇中心の政治だったため、当然ながら武士たちから反感を買ってしまいます。このためわずか2年でこの政治は終わりを迎え、後醍醐天皇は吉野(奈良県)に逃れました。

(9)そこで、足利尊氏は新たな天皇を立て、自らを征夷大将軍に任命させます。そして、室町幕府を開きました。

上記のように、時間軸に沿って事象を整理する際は以下の5つのポイントに着目してみてください。

➀何が起こったのか(事象そのもの内容)

②誰が起こしたのか(人物)

③どこで起こったのか(場所、位置関係など)

④なぜ起こったのか(過去の事件との関係性なども絡めて)

⑤どのようにして起こったのか(方法など)

この5つのポイントを押さえることが大切です。

地理の勉強法

次に、地理の勉強法について解説していきます。

実際の受験では、地誌について問われる問題が多く出題される傾向にあります。

ですので、その土地の特徴やイメージを掴むと覚えやすくなります。

地理の分野は、覚えようとするとキリがありません。

地域の特色やイメージを掴むことに注力しましょう。

また、地理では図表問題を出題することもあります。

図表問題は暗記力よりも読み込む力を試されるので、解き方や点数を取るコツを掴む必要があります。

1.地名と地図上の位置を覚える

まずは、地名と地図上の位置を覚えましょう。漢字名と呼び方を覚えたら、

地図をきちんと開いて、どの方角、地方、県などに位置するのか確認してください。

2.派生する情報も一緒に覚える

地名と位置を覚えたら、その地域の事柄についての情報も一緒に覚えてしまいましょう。一見、暗記量が増えて大変そうに思えますが他の情報と紐付けすることで様々な問題に幅広く対応することが出来きます。気候、農業・工業など他の情報も覚えることで、その地域をイメージしやすくなりますね。

例えば、「瀬戸内工業地帯」について暗記を行うとします。

◎瀬戸内海に面していて、工業地帯に適している。

・内海で波が穏やかだから船が停泊しやすい。

・港から船で原料を運搬(輸入)できる。

◎造船業、製鉄業などが盛んだった。石油コンビナートができて化学工業が発展した。

・船で原油・鉄鉱石・石炭などを輸入できる。

◎繊維工業が盛んだった。

・綿花栽培に向いた気候で明治までは栽培していた。

・船で良質な綿を輸入できる。

一問一答形式で暗記を行うだけでなく、それに派生する情報も一緒に覚えることで”紐付け”が出来るので、結果的に覚えやすくなります。

図表問題の勉強法

図表の問題を解く際に意識して欲しいことは、この図表は「何を表していて何を伝えたいのか」ということです。図や表を元に読み取る問題が多い様に、図表問題はその意図が理解出来ているかの確認をする問題が多いです。ですので、まずは問題を解いてみて自分がその図表をどれだけ理解出来ているのかチェックしてください。間違えた問題に関しては、どのように考えたら正解に辿り着けたのか、どの情報をチェック出来ていなかったのかに着目して解説を読みながら確認する作業を繰り返すことが重要です。

③公民の勉強法

公民は社会の科目の中でも最も日常生活の中で馴染みがあり、将来、最も役に立つ分野だと思います。

公民の分野は多岐に渡ります。まずは、システムや流れをイメージ出来るようにしましょう。公民では、難しい語彙も出てくるので言葉そのものを暗記するのではなく、それがどのような働きをするのかについて知って覚える必要があります。

次に、細かい数字を覚えることに着目してください。例えば、参議院についてシステムや関係性を理解したらそれに加えて定員数は何人なのか?といった具合です。図や絵を書いて、自分の中で整理していくことが必要です。

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