学習法・三分設計

国語の記述問題をちょっと解説してみよう

国語の記述問題に対して、苦手意識を持っている子は多いです。

記述問題は、大きく二種類に分けられます。

一つは論説文・説明文などで、筆者の主張をまとめるもの。

もう一つは、物語文・小説文で、登場人物の心情やその変化を説明するもの。

今回は、後者の「物語文の心情記述」を解いてみます。

物語文の記述で「何を書けばいいか分からない」と悩む子は多いですよね。
空欄になってしまうことも珍しくありません。

記述問題と言っても、自分の想像や体験を交えて自由に書いてよいわけではありません。

「設問で何が求められているのか?」を正確に把握して、その答えの根拠を問題文から導くんです。

そうです。基本は、選択肢問題、抜き出し問題と同じなんです。

自分で勝手に登場人物の気持ちを推測するのではなく、
問題文中の「出来事」や「行動・情景描写」から答えを探すのだと考えるのが大切です。

どの問題形式でも、出題者が本文を正確に読解できているのかを試していることに変わりはありません。

選択肢は、正しいものを選択肢から選んで答える。
抜き出しは、正しいものを本文から見つけ出す。
記述は、自分で正解を書く。
の違いがあるだけです。

解答の手がかりとなる箇所を正しく探し当てることにより、正解が導き出せます。

物語文は、ある出来事をきっかけにして主人公の心情がどう変化したのかを理解するという読み方ができることが目標です。

ちょっと問題を解いてみますね。

ある学校の入試問題をベースにした類題です。

【問五】
傍線部⑤に「胸の奥がじんわりと温かくなった」とありますが、
このときの「私」の気持ちを、そう感じた理由を含めて六十字以内で説明しなさい。

この問題は、物語文の記述問題で最もよく出題される「心情とその理由」を求めるものです。
傍線部の比喩的な表現をわかりやすい心情語に言い換え、さらにその原因となった出来事をまとめることが求められています。
こうした問題は、必ず直前直後の出来事や描写に答えの手がかりがあります。
その箇所を見つけ、それを材料にして解答を作り出していくことになります。

傍線部をより正確に把握するために、傍線部ならびにその前後(ここでは傍線文を含む段落)を確認しておきます。

文化祭の準備で意見が対立し、親友のタカシと口論になったまま一週間が過ぎていた。
放課後、誰もいない教室に戻ると、黒板に貼られた僕のポスター原案の横に、
タカシの字で「配色はこっちの方が絶対いい。さすがだ」と書かれた付箋が貼ってあった。僕はそれを見て、⑤胸の奥がじんわりと温かくなった。

ここを読めば、傍線部はタカシの付箋を見た直後の「僕」の気持ちであることがわかります。
設問では「理由を含めて」と指定されているため、「理由(原因となった出来事)」と「心情(温かくなった気持ちの正体)」の二つの要素を本文中から見つけることになります。

これらについて記されている箇所を見つければいいんです。
必ず見つかります。
正しく解答できるようにできている問題だからです(意外とこの考え方が大事です)。

まず「理由」。

これは直前の文章に記述があります。丁寧に読み進めましょう。

「文化祭の準備で意見が対立し、親友のタカシと口論になったまま」であったにもかかわらず、「タカシの字で『配色はこっちの方が絶対いい。さすがだ』と書かれた付箋が貼ってあった」ことです。

つまり、「口論して気まずい関係だったタカシが、陰では自分のアイデアを認め、褒めてくれていたこと」が理由として読み解けます。

次に「心情」です。

「胸の奥がじんわりと温かくなった」という表現を、ふさわしい言葉に言い換えます。
口論していた相手が自分を認めてくれていたと知ったのですから、ここは「うれしさ」や「わだかまりが解けた安堵感」などの気持ちです。

上記の二つ(「理由」と「心情」)をまとめれば、次のような解答を作ることができます。

口論して気まずくなっていたタカシが、陰では自分の案を認め褒めてくれていたことを知り、わだかまりが解けてうれしく思う気持ち。(六十二字)

これを六十字以内に調整して終わりです。

口論し気まずかったタカシが、陰では自分の案を認め褒めてくれていたことを知り、わだかまりが解けてうれしく思う気持ち。(五十七字)

設問の要求に正しく答えることが重要です。

「〜気持ちを説明しなさい」と問われているのに、文末を「〜から。」という理由だけで終わらせてしまうと減点になります。
結構、答え方で減点されている子は多いと思います。

心情を表す言葉(うれしい、悲しい、もどかしいなど)の語彙は意識的に増やしていくと楽になってきます。

この問題は、「心情とその理由」をまとめる問題でした。

物語文においては、登場人物の「行動」や「情景描写」に心情が隠されており、出来事を通して変化していきます。

そのため、入試問題においてもこれらについて問う問題は数多く出題されます。
これは、選択肢問題でも同じです。

登場人物の置かれた状況と、心の動きの因果関係を捉えることを意識して練習しましょう。

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