勉強法

君子は豹変する――素直に「やってみる」人が伸びる

高校生の君に、まず一つ質問をしたい。

「誰かに勉強のやり方をアドバイスされたとき、素直にやってみたことはあるかい?」

たぶん、

「うーん……あまりないかも」

と答えるんじゃないだろうか?

学校の先生や塾の講師、先輩や親から

「こうやってみたら?」とアドバイスをもらっても、

「いや、自分のやり方でやってますから」

とスルーした経験があるはずだ。

その気持ちは、わかる。

だけど、ちょっとだけ立ち止まって聞いてほしい。

実は、「まずやってみる」という姿勢こそが、君を本当に伸ばしてくれるんだ。

「君子豹変す」って、どういう意味?

まず、この言葉を紹介したい。「君子豹変す」。

普段聞くことは少ないかもしれないけど、これはとても大切な考え方だ。

「豹変」と聞くと、「あいつ、急に性格変わったよな」みたいなネガティブな意味に聞こえるかもしれない。

でも本来はそうじゃない。

これは中国の古典『易経(えききょう)』に出てくる言葉で、「賢い人(君子)は、間違いに気づいたらすぐに行動を改める。それは豹の毛の模様がくっきりと変化するように、はっきりとした変化を見せる」という意味なんだ。

つまり、「間違っていたらすぐに方向転換できる人」が賢いってことなんだ。

受験勉強でも「豹変」できる人が伸びる

受験勉強って、どうしても「自分のやり方」にこだわりたくなる。

英単語は書いて覚える派

数学は問題集を何周もする派

参考書は薄いものを繰り返す派

みんな自分なりのスタイルを持っている。

でも、こう考えてみてほしい。

今のそのやり方、本当に効果が出てる? 成績、伸びてる?

もしそうじゃないなら、「やり方」を変えるチャンスかもしれない。

先輩や先生のアドバイスを聞いたとき、「そんなの合わないと思う」とすぐ拒否するのではなく、

一度、試してみてから判断するほうがずっと賢い。

だって、それが「君子豹変」の精神だから。

「一貫性」は美徳じゃないときもある

よく「ぶれずに頑張れ」と言われるけど、時には「ぶれること」が正解になることもある。

たとえば、模試の結果が思うように伸びなかったとする。

先生が「この分野の解き方を変えてみよう」とアドバイスしてくれる。

そこで「自分はこのやり方でずっとやってきたんで」と拒んでしまう人は、

結果的に伸び悩むことが多い。

一方で、「じゃあ一回やってみます」と素直に試してみた人は、意外な発見をする。

「あれ、意外とこっちのやり方のほうが効率いいな」
「この参考書、自分じゃ選ばなかったけど、めっちゃわかりやすい」
「やってみたら意外と点が取れるようになった」

そうやって、小さな変化が積み重なって、大きな飛躍につながっていく。

素直さは才能より強い

勉強ができるようになる子って、「地頭がいい」からだけじゃない。

「素直にやってみる子」が、結局一番伸びる。

これは本当にそう。

塾や予備校でも、「教えたことをそのままやってみる子」はグングン成績が上がっていく。

逆に、「いや、でも」「それは自分には無理かも」と言ってる子は、なかなか変わらない。

努力とは、才能じゃない。「やってみる勇気」だ。

「変わるのが怖い」その気持ちこそ、変化のチャンス

「今までの自分を否定するみたいで怖い」
「もしうまくいかなかったらどうしよう」
「恥ずかしい」

そう思ってしまうだろう。

でもね、変わることは「過去を否定すること」じゃない。

「未来をもっと良くする」ためのステップなんだ。

「今までありがとう。ここからは、もっと良くなるために変わっていくよ」

そう言える自分になれたら、君はもう立派な「君子」だ。

やってみて、合わなかったら戻せばいい

「とりあえずやってみる」と言っても、別に一生そのやり方を続けろってことじゃない。

合わなかったら、戻せばいい。別の方法を探せばいい。

大切なのは、実際に自分の体と頭で試してみること。

そこでしか得られない「学び」がある。

「これ、向いてないな」と気づけるのも、「やってみた」からこそなんだ。

最後に:君は何度でも変われる

受験は「今までの自分を超える」旅だ。

最初から完璧なやり方を知っている人なんていない。

だからこそ、試行錯誤が大事になる。

そんなとき、「君子豹変す」の精神を忘れないでほしい。

「今のやり方じゃうまくいってないかも」
「先生が言ってた方法、一回だけでもやってみようかな」
「自分の限界を勝手に決めないで、柔軟に変わっていこう」

そうやって、素直に「まずやってみる」ことができる人が、最後に笑うことができる。

変わることを恐れるな。君は、何度でも変われるし、何度でも強くなれる。

そして、そういう人が、本当に合格をつかむのだ。

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