今は、勉強法なんてググればすぐ出てくる。
「理解と定着は別」という話も、 どこかで聞いたことがあるだろう。
何かの記事で見たことがある、という人も多いはずだ。だから、こういう情報には、ほとんど価値はないだろう。
でも、成績が上がらない子は相変わらずいる。
なぜなのか。
知っていることと、できていることは全然違うということの、本当の基準を実感できていないからだ。
通塾したての生徒に多いパターンがある。
「ちゃんと勉強したのに、テストでできなかった」
話を聞いてみると、 教科書を読んで、問題集を解いた。 やることはやった。
でも点数が取れなかった。
たいていの場合、「理解」で止まっているからだ。
理解するというのは、 説明を聞いてわかった、という状態だ。
でもわかった、と解ける、は全然違う。
「定着」というのは、 いつでも自分で再現できる状態のことだ。
1回できた、じゃない。 いつでもできる、が定着だ。
僕がアンビシャスで大切にしているのも、ここだ。
「身についた」とは「再現できる」ということ。 これを基準にしている。
ここまで聞くと、 「なるほど、分かった」と思う人が多い。
でも、そこに落とし穴がある。
理屈では分かった。 でも実践の仕方を知らない。 あるいは、やっているつもりでズレている。
これが実際に起きていることだ。
「理解と定着を意識して勉強しています」 という子が入塾してくることがある。
話を聞くと、確かに意識はしている。
でも実際の勉強を見てみると、 理解のところで満足して終わっている。
再現できるかどうかを確認していない。 定着の手順がそもそもズレている。
頭で分かることと、体で再現できることは、 全く別の話なんだ。
そしてもう一つ、厄介なことがある。
人は、忘れる。
一度定着したと思っても、 時間が経てばどんどん忘れていく。
だから定期的に思い出す機会が必要だ。
一気に詰め込む勉強は、短期間は効く。 でもすぐ抜けていく。
忘れかけたタイミングでもう一度やる。 これを繰り返すことで、初めて長期的に定着する。
模試や入試の過去問が有効なのも、ここに理由がある。 全範囲を短時間で復習できる、最高の教材だからだ。
ただ、一つ注意してほしいことがある。
定期テストの過去問はやらない方がいい。
これは断言できる。
理由は3つある。
一つ目。 「この問題が出る」という前提で勉強するから、 応用が効かなくなる。 見たことのある問題しか解けない子になっていく。
二つ目。 高校入試は、定期テストの過去問からは出ない。 定期テスト対策に特化した勉強は、 入試で全く通用しない体を作ってしまう。
三つ目。 理解より「この答えを覚える」になってしまう。 それは定着じゃなくて、暗記だ。 暗記は忘れる。理解は残る。
定期テストの点数を上げることと、 本当の学力をつけることは、 全然別の話だということだ。
まとめると、こうなる。
まず理解する。 理解したら、再現できるまで繰り返す。 定期的に模試や入試の過去問で思い出す機会を作る。 定期テストの過去問には頼らない。
シンプルだけど、これをきちんとやっている子は ちゃんと結果が出ている。
「勉強したのにできない」という子の ほとんどは、どこかでこの手順を飛ばしている。
あるいは、手順は知っていても 実践の仕方がズレている。
勉強量の問題じゃない。 勉強の構造と、その実践の問題だ。

