塾長コラム

「何となく忙しい」からの脱出

僕は、マンガが大好きで、新しいものも昔のものもよく読むんです。

昭和50年代頃の古い学園モノのマンガを読んでいると、面白いことに気がつきます。

当時は今よりも露骨に成績や学歴が描かれ、受験競争も熾烈だったはずなのに、
登場人物たちは、勉強以外のことも思い切りやっているのです。

僕自身の高校時代を振り返ってもそうです。
第2次ベビーブームの少し後とはいえ、
今より子どもの数は圧倒的に多く、
大学受験も「一般入試一発勝負」が当たり前の過酷な時代でした。

しかし、「毎日勉強ばかりしていて息が詰まっていた」という記憶はありません。
学校帰りに友達とどこかへ寄ったり、部活に打ち込んだりと、
勉強以外のことを考え、経験する時間がしっかりとありました。

競争が厳しかった昔の学生にできて、今の学生にできない理由。
それは、現代人が「情報が多すぎるせいで、なんとなく忙しくなってしまっている」
からではないでしょうか?

これは大人の仕事にも全く同じことが言えます。
例えば、会社で書かされる営業日報や報告書。
本質的な中身は大してないのに、「ちゃんと仕事をやっている感」を出すために無駄に文字数を増やしたり、体裁を整えたりして時間を奪われていく。

あふれる情報やノイズに触れすぎて、「結局何が一番大切なのか」が見えなくなり、
どうでもいい表面的な作業で1日が終わってしまう「なんとなく忙しい病」です。

子どもの勉強も、これと全く同じ状態に陥っています。

スマホを開けば無数の勉強法が流れ込み、
本屋に行けば山のような参考書が並んでいる。

「あれもやらなきゃ」「これも知っておかなきゃ」と情報に振り回され、
頭の中が常にパンパンになっているから、
常に忙しい錯覚に陥ってしまうんです。

だからこそ、
「情報を遮断し、やることを極限まで絞る(引き算する)」
ことが必要になります。

目の前の限られた教材だけに集中させる。
無駄なノイズをシャットアウトする。

そうやって「なんとなく忙しい状態」から抜け出させてあげると、
子どもの頭の中にはスッと「考える余白」が生まれます。

この余白さえ作ってあげれば、大人があれこれと口うるさく誘導しなくても、
子どもは「ここから先はどうすればいいだろう」「自分はどうしたいんだろう」と、
勝手に自分の頭で考え始めます。

大人として僕たちがやるべきなのは、
新しい情報を足して子どもたちをさらに忙しくさせることではありません。

余計なものを引き算してあげることで、
彼らの中に「自分の頭で考える余裕」を取り戻してやることなのだと、
強く感じています。

主体性がない子は、周りから与えられすぎているからなんです。

新しいものがなければ、
「今あるものをどう使おうか?」
という発想になりますから。

で、今あるもので充分だと気づくんですよね。

これが大事なことなんだと思います。

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