塾長コラム

ツールが増えるほど、心は弱くなる。今、教育に必要なのは「捨てる」勇気だ。

世の中の情報は、とどまることを知らず、増え続けています。

教育現場も例外ではありません。

最新のアプリ、新しい学習管理ツール。

次々と導入されるのは「効率化」のための仕組みです。

一見、便利で素晴らしいことのように思えます。

でも、僕は現場でいろんな事業を動かし、
多くの子どもたちを見てきて、確信に近い危機感を持っています。

「ツールが増えて、本当に子どもたちは成長しているのか?」

そこにあるのは、成長ではなく、「迷い」と「中途半端」ではないでしょうか?

マルチタスクは「超人」の業である

そもそも、大人だってマルチタスクは至難の業です。

複数のタスクを並行して進めようとすれば、どうしても一つひとつのスピードは落ち、完成度も下がります。

もちろん、世の中にはそれを楽々とこなす「超人」のような人もいます。

でも、断言します。

僕はそうじゃない。

僕はいろんな事業に挑戦してきましたが、
実感としてあるのは「あれこれ手を出すと、結局どれも中途半端になる」
という苦い事実です。


大人が苦戦することを、
優先順位をつけるのがまだ難しい小中高生に求めても、
無理があると思いませんか?

選択肢が多いと、
子どもたちは「とりあえず全部」に手をつけてしまいます。

その結果、何が起きるでしょうか?

「中途半端な挫折」が一番もったいない

そうです。

すべてに手を出し、すべてが中途半端になります。

そうなると、たとえ壁にぶつかったとしても、

その悔しさや挫折感までもが「中途半端」になってしまうんです。

成長のために本当に必要なのは、

「全力で打ち込んだ後の、本気の挫折感」です。

「これだけやったのに、ダメだった」

「あんなに練習したのに、届かなかった」

この、胃がキリキリするような、何とも言えない無力感。

しかし、この、本気の挫折こそが、次に立ち上がるための「強靭な精神力」を産みます。

最近は「成功体験が大事だ」とよく言われます。

確かにそうです。

でも、それは大人によってお膳立てされた、壊れやすい「偽物の成功体験」であってはなりません。

用意されたレールの上で、便利すぎるツールを使って手に入れた成功は、少しの環境の変化であっけなく崩れ去ります。

大人の役割は「環境を狭めてあげること」

これからの時代、これまで以上に大事になるのは「捨てる」という決断です。

何でもできる環境を与えるのが教育ではありません。

むしろ、「あえて選択肢の少ない環境」を設定してあげること。

これが大人の役割だと思っています。

逃げ道がない、限られた選択肢。
その中で、泥臭く、必死になって踏ん張る。

「これしかない」という状況で必死に足掻くからこそ、
精神は研ぎ澄まされ、本当の意味で強くなれる。

アンビシャスは、ただ便利さを提供する場所ではありません。

子どもたちが一点に集中し、全力でぶつかり、本物の強さを手に入れられる。

そんな「絞り込まれた環境」を、僕たちは作り続けていきたいと考えています。

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