「頭がいい子」は、全部を考えてはいない
頭がいい子は、すべての問題に全力で頭を使っている。そう思っていませんか。
実は逆です。成績が良い子ほど、考えていない部分が多いのです。
正確に言うと、「考えなくても解ける問題」を大量に持っている。
だから、本当に頭を使うべき問題に全力を注げるのです。
これは勉強に限った話ではありません。
音楽家もスポーツ選手も、プロほど「型」を持っています。
型があるから、型に収まらない場面で深く考えられる。
今日はこの話を、中学生の勉強に引きつけて書きます。
テストで「時間が足りない」の正体
定期テストや実力テストで「時間が足りなかった」と言う生徒がいます。
10年以上見てきて断言できますが、時間が足りない原因のほとんどは、
難問に時間を取られたことではありません。
基本問題に時間がかかりすぎているのです。
英語の過去形の作り方を毎回考えている。
数学の計算で符号ミスを繰り返して、やり直している。
社会の用語を「なんだっけ」と思い出そうとして止まる。
1問あたりは数十秒のロスでも、50問のテストなら合計で10分、15分と消えていきます。
一方、成績上位の子は基本問題を「見た瞬間に手が動く」状態まで仕上げています。
考えていないのではなく、考える必要がないレベルまで反復して染み込ませている。
だから、残った時間と脳の余力を、応用問題や記述問題に全部使えるのです。
そうです。
同じ50分のテストを受けていても、使える思考の量がまったく違うのです。
「思考の余白」を作れるかどうかが、成績の分かれ目
脳が一度に処理できる量には限りがあります。
すべての問題に「えーっと……」と考え込んでいたら、
それだけで脳が疲れて、テストの後半では集中力が切れます。
基本を型として叩き込むことの本当の意味は、「思考の余白」を作ることです。
英単語を見た瞬間に意味が浮かぶ。方程式の変形が手癖のようにできる。
歴史の年号と出来事がセットで出てくる。
こうした「自動処理」が増えるほど、脳に余裕が生まれます。
その余裕こそが、応用問題を解くための思考に使えるリソースです。
つまり、成績の差は「頭の良さ」の差ではなく、「頭を使わずに済む領域の広さ」の差です。
ワークを繰り返す意味を、ここで考え直してほしい
学校ワークを繰り返し解くことを、退屈だと感じる生徒は多いです。
「もう分かっている問題をなぜまたやるのか」と。保護者も「同じことの繰り返しで意味があるのか」と思うことがあるかもしれません。
意味は、あります。
1回目は「理解する」ため。
2回目は「できるか確認する」ため。
3回目は「考えなくても解ける状態にする」ため。
この3回目が決定的に重要です。
ここまで仕上がって初めて、その問題は「思考の余白」に変わります。
テスト本番で脳を使わずに通過できる問題が1問増えるということは、
難しい問題に使える思考が1問分増えるということです。
「解いた」と「解ける」は違う。
「解ける」と「考えずに解ける」も違う。
私が教室で「ワークをやり切れ」と言い続けているのは、3つ目の状態まで持っていくためです。
この考え方の全体像はアンビシャスの考え方に書いています。
「型」は思考停止ではない。思考のための準備だ
「反復は思考停止だ」「もっと考えさせる教育を」という声をよく聞きます。
一理あります。
丸暗記だけでは、確かに応用力は育ちません。
でも、考えるためにはまず「考えなくても済む土台」が必要です。
ピアノを弾く人は、指の動かし方を毎回考えません。
基本の指使いが身体に染みついているから、表現や解釈という「本当に考えるべきこと」に集中できる。
サッカー選手がドリブルのたびに足の動かし方を考えていたら、戦術判断に脳を使えません。
勉強も同じです。
基礎が自動化されていない子に「もっと考えろ」と言っても、考えるための余白がそもそもない。
最近は学校でもタブレットの導入が進み、○×や4択で済ませる場面が増えていますが、手を動かして繰り返し解くプロセスを省略して「考える力」だけを育てようとするのは、土台なしに2階を建てるようなものです。
この問題についてはスウェーデンが紙の教科書に戻した話にも書きました。
何を考え、何を考えないかを設計するのが勉強
頭がいい子は、全部を考えてはいない。
考えなくていい部分を増やすことで、本当に考えるべき部分に全力を注いでいます。
そして、「考えなくていい部分」を作る方法は、特別なものではありません。
学校ワークを、見た瞬間に解けるようになるまで繰り返す。それだけです。
地味な結論だと思うかもしれません。
でも、地味なことを最後までやり切れる子が、結果を出す。
10年以上この仕事をしてきて、これだけは揺るがない事実です。
盛岡で子育て中の方は、こちらも読んでみてください。
→ アンビシャスの考え方
お子さんの今の学力で志望校にどのくらい届いているかは、志望校判定ツールで30秒で確認できます。
「自由に考えさせる教育」の落とし穴については、こちらの記事にも書いています。
→ 「子どもの自由」という名の罠
📍 この記事を読んで、こう思いませんでしたか?
「うちの子は、今どの位置にいるんだろう」
内申点と定期テストの点数を入れるだけで、志望校までの距離がその場でわかります。無料・登録不要・30秒。
志望校までのキョリを診断する「うちの子、志望校に届くんだろうか」
そう思ったら、まずLINEで友だち追加してください。
合格する勉強法
その場で判定
無料・登録30秒

